今回は禁断の化粧品原価についてのお話です。
業界に入り化粧品を売り始めたとき、その余りの高さに驚いたことを覚えています。
エステサロンユースというこじ付けか否か、店頭商品と比べると極めて高いと感じていました。
20年ほど前は美容液が3万円前後、化粧水も8,000円~12,000円ほど。
それが当たり前のような時代もありました。
客観的に高いと感じても、最初の頃は原材料の原価も分かりませんし、高価な材料だから高くなるのだと思っていました。
そして、さぞ効果が出るのだろうとも思っていました。
しかし、わかればわかるほど、効果も価格ほどには差が出ず、次第にそのボッタクリ価格に呆れるようになり、以前ご案内した自家製化粧水の作り方などに興味を持ち始めたわけです。
初めに化粧水に頭がいった理由は、ある工場の技術者に原料比率を聞いたことがキッカケでした。
水95~97%、美容成分3~5%。
え~~~~っ!それだけですか??逆さまじゃないのですか??
それがそのときの率直な感想です。
それもそのはず…美容成分を多く使えば使うほど、化粧水では無くなりますよね!
水に近くていいわけですし、例えばヒアルロン酸など、1ccで600ccもの水分を蒸発させない力があるというのですから、ほんの少し配合すれば相応にしっとりしてくれるのです。
そこで、今度は使用されている美容成分の原価が気になるようになり、根掘り葉掘り聞き出してみると…「余程特殊な原料を使用しない限り、美容成分の原価が何千円になることはまず無い!」そう言われました。
そんな原価だったら、末端価格は跳ね上がり商売にならないと…。
ちなみに大手の場合も、売値に対して13%~17%くらいの原価で商品を作ると言われていました。
もちろん、容器や箱や能書、パンフも含まれます。
ということは、最終売価にもよりますが、価格の安いものなら、明らかに化粧品の中身より、周りの箱・容器の方が高いということになります。
無論、それも買う側の夢の一つではありますが、〇○○さんが売っている7万円程のクリーム…さぞ儲かるだろうと思います…。
しかしそれを買われた方が、そのクリームを使っているのかいないのか、傍目に全くわからないところが面白いところです。
ブランドと容器と香り、これらから高揚感が得られる点は否めませんが、結果的に5千円のクリームも7万円のクリームも大きな差は無い!ということになりませんか?
ちょっと意地悪な考え方かもしれませんが、素朴にそう思いました。
中には、皮膚再生因子(EGF)などのように1g/数千万の化け物原料もありますが…
それとて、0.000gといった具合にホンの少量で済むため、言われるほど原価には跳ね返らないのです。
その後、自分でも化粧品を設計し、化粧品工場と直接取引きし作ってみましたが、そこでわかったことは…化粧品は中身より容器と箱と販促費用の方がはるかに高い!という結論でした。
もちろん全ての商売がそうかもしれませんが….。
化粧品の場合、平均的な原料で商品を作っても(ボチボチいい物)、中身だけなら(製造ロッドによりますが…)、クレンジング~ゲルクリームまでほんの数百円でできるのではないでしょうか。
中には中身原価100円以内のというものもあると思います。
当然、質を落とせば安く出来るのです。
(泡だけ立って汚れが取れない洗顔料など)
化粧品販売会社が1万社前後あると言われる所以、少しお解りいただけたでしょうか?
500円で作ったものを1万円で売れば、1個/9,500円の利益。
しかし、全部売れ残ることも有り得る訳ですから、仕方が無いといえば仕方ないのかも知れません。
化粧品の原価率について
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化粧品の原価率とは?相場はどのくらい?
「原価率」とは、製品をつくるためにかかった製造原価が、販売価格に対してどれほどの割合を占めているかを示す数値です。
原価率(%)= 製造原価 ÷ 販売価格 × 100
化粧品の製造原価には、大きく以下の費目が含まれます。
- 中身の原料費:美容成分・保湿成分・香料など
- 容器・パッケージ費:ボトル、チューブ、化粧箱など
- 製造にかかる費用:OEMメーカーへの工賃、充填費など
- 商品化に必要な費用:デザイン費、試作費用、安全性検査費など
業界全体で見ると、これらを合わせた製造原価率は売値の10〜30%程度が相場です。
大手化粧品メーカーでも売値に対して13〜17%程度の原価で商品を作るといわれており、製造原価が価格全体のごく一部に過ぎないことがわかります。
特に金額差が大きいのが原料費と容器代です。
スキンケア化粧品の原料費は化粧水なら1〜2円、乳液で2〜3円程度。
一方で容器は、目安としておしゃれさをプラスしたボトルや瓶で数十円〜100円程度、さらに光沢加工や型押しなどこだわりの製法を施した箱・包材で数十円〜150円程度になります。
このように、中身よりも容器や箱の方がコストがかかっているケースも珍しくありません。
なお、製造原価はロット数や使用する原料によっても変動します。
製造ロット数が少ないほど容器・充填・検査の単価が上がり、植物エキスや高機能成分など特殊な原料を使う処方ほど中身のコストが上昇します。
では、製造原価以外の残りの部分は何に使われているのでしょうか。
なぜ化粧品の販売価格はこんなに高くなる?
消費者の手元に届くまでには、さまざまなコストが積み重なります。
例えば、市販の化粧品かサロン専売品かでも異なりますが、広告・PR費、問屋や代理店への手数料のほか、新商品の研究開発費や安全性テスト費用、売れ残り在庫の処分費用なども価格に含まれています。
化粧品業界は広告宣伝費の割合が他業界より際立って高く、大手メーカーになれば広告費だけで数億円単位というのも珍しくありません。
製造原価が売値の20%程度だとすると、残りの80%はほぼ「売るためのコスト」なのです。
また、「安すぎると売れない」という消費者心理も価格に影響しています。
安価な化粧品には品質への不安がつきまとうため、大手メーカーが高価格帯を維持し続ける背景にはこうした心理の活用もあります。
単純に「価格が高い=中身がいい」ではなく、「どこにコストをかけているか」で価格が決まっているのです。
エステサロンはこの原価率の真実をどう活かすか
化粧品の原価構造を知っているかどうかで、仕入れる商品の選び方も、お客様への説明の説得力も大きく変わります。
仕入れで見るべきは「処方」と「掛け率」
商材を選ぶ際にまず確認したいのが、「製造原価にどれだけ投資しているか」「どんな処方で作られているか」です。
ブランド力や広告費に原価の大部分を使っている商品と、処方そのものに投資している商品とでは、同じ価格帯でも中身の質が全く異なります。
「パッケージが豪華で卸値が高い商品が必ずしも良い商品とは限らず、逆にシンプルな見た目でも有効成分の配合にコストをかけている商品の方が、お客様の肌結果に直結することも多いです。
エステサロンが商材から得られる利益率の相場は30〜50%が目安とされており、卸値だけを見て「安く仕入れられるから良い」と判断するのではなく、「この価格のうち何にコストがかかっているか」を読み解く目を持つことが、長く売れる商品選定につながります。
原価構造の知識を接客に活かす
お客様から「市販品と何が違うの?」「なぜこんなに高いの?」と聞かれたとき、答えに詰まってしまうスタッフは少なくありません。
しかし原価構造を知っていれば、こんな説明ができるようになります。
「ドラッグストアの化粧品はCMや広告、全国の店舗に並べるための費用が価格の大部分を占めています。サロン専売品はその分を中身の成分に使えるんです。」
「価格が高い化粧品が必ずしも中身が良いとは限りません。有名ブランドの高額商品は、ブランドイメージを維持するための広告費やパッケージ代が価格を押し上げているケースがほとんどです。」
「成分表示が似ていても、どのくらいの量が入っているかまではわかりません。私たちは処方の中身まで確認した上で商品を選んでいます。」
価格に疑問を持っているお客様に対して根拠のある説明ができるスタッフは、信頼につながり、商品購入だけでなくリピートにもつながりやすくなります。
化粧品の原価構造を知ることは、売るためだけでなく、正直に自信を持って商品を勧めるための土台になるのです。



