40年以上前にお袋が癌を患い、当時は子供心に何より残酷と思うことがありました…。
それは「医療費」のことです。
入院前にお袋が心配していたのは、実は自分の体のことではなく…入院費用のことだったのです。
自分は乳房がなくなろうと構わない!手術も怖くない!
ただ医療費を誰が払うのか? うちにはそんなお金はない…。
父親は何とかするから心配せず入院しなさい!
そう言っておりましたが…案の定、期日までに資金を捻出できず…。
結果的に1週間以上退院が延び、お袋はベッドの上で乳癌の痛手だけでなく、費用を払えず退院できないという地獄を見ていたのです。
※今はそうではないですが…
結局のところ、お袋方の親戚からお金を借りて退院しましたが、ゆっくり療養する資金的ゆとりもなく30cmセンチに及ぶ痛々しい傷跡を抱え、ほんの数日間横になっただけで力仕事へと復帰していきました。
その時、お袋から言われた言葉を一生忘れることはないと思います…。
病気や怪我は誰しも怖いし嫌なもの。
しかし、それより怖くて嫌なものは費用を払えないことだ!!
支払いが出来ないほど辛く苦しいことはない。
いっそ死んでしまおうかとも思う!!
そういっておりました…。
病気の心配、怪我の心配、それだけをしていればいいのであればあれは幸せ!
しきりにそう言いなが涙しておりました…。
あれから40数年。
好きで貧乏も、好きで病気する人も、好きで怪我する人も、好きで老いる人もいません。
でも、せめて病気や怪我をしたときくらい…費用に悩まされず、医療を受けることができる社会を実現できたら本当にいいですね。
癌になってさえも、お金の有る無しが全てに影響を及ぼすのです。
